2007-03-01から1ヶ月間の記事一覧

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この手がなくても、この耳が聞こえなくても、この目が見えなくても この足がなくとも この唇がなくとも 性器がなくても 僕の心がなくても 僕が存在しなくても、君が好きです。end

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植木鉢が倒れた、水色の空気が透明で光が白くて それは、記憶と重なる ありもしない事が、おこることは無い 洗濯機を回して、寒いベランダの風を浴びて 音の悪いCDプレイヤーを再生する いつものCDをかける 僕はパソコンの前に座り いつもの情報を飲み込んで…

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こんな風に思うのは薬のせいか、僕のいない世間、舞台が騒ぎ続けているせいか 僕のはずのベッドに寝ている彼女が 甘すぎる虹色の飴玉を吐き出きだしていた 寝ながら飴をなめていたようだ 過剰な糖分が脳をあま噛みしているだろう 寝ているときに飴とか食べた…

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彼女と公園に来た まだ夏の暑さがしつこい 僕は自分だけ途中で自分だけレモンスカッシュを買った 僕は途中で買ったタンポポを彼女に渡したかった 僕は一人しか座れないベンチに座った 彼女は青紫の細い白の細かいドットのワンピースを脱ぎだした 僕はそれを…

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緑色のグラスの破片みたい、とがっていて透明に光った空 浮かぶ飛行機雲の弱弱しい軌跡を僕は蒼い少女と眺めていた。 隣でたたずむ彼女はその飛行機雲のラインを細い人差し指で、 何度も何度も愛でるように撫でるようになぞっていた。 僕から逃げないように …

43

夏の影がとても黒くて 凍結した空いっぱいに広がる 墨で染めたようなセミの羽 雷鳴までもが凍結して 底にかまいたちの傷のようにすーっと亀裂が 入り皆さんのご希望のように 眼球がぼたぼた涙のように落ちてゆく 潜水して現在の狂った世界から 回避しようと…

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踏むごとに歩むごと沈むごとに翳った泥濘が溜まっていく 影になって、だんだん人型になっていく 人の形になったら、影から青白い静脈が走った手が伸びてくる その少し震えたは手は助けを求める手だ、 僕はそれをいつも待っている、町内にまだ人がいない影を…

41

(線香花火をしている少女、僕が登場) 今年も浅墨黒く少年じみて発火していた夏は僕が期待していたより早く病んで、 秋と冬が見えない所まで薄うねり始め それは裏返り苦しむ百足の腹みたいな蠢きで 人との距離を取ろうと 人と出会うことを一つの懐妊と考え…

40

モンスーンでぶちまけた紫のペンキを着たいと彼女が言うから 僕はアトモスフィアを切り出した、すぐに発酵物の腐った匂いと腐った脂がしみだした すべて見えていた少年の僕は 隠すことも知っていた、消臭と消毒、目隠しマスク 破綻した物語を修復できないで…

39 キャラメル

病院の窓から彼女と手をつないでせーのっておちた、 15分まえに入院のお見舞いに来てくれた 僕は認識する事がうまくできなくなっていて 名称の対象とそれ以外をうまく把握できなくなっていて それでは世界が破綻するから 桜がずっと散り続ける世界紺色の海の…

38 Transparent cherry blossoms

透明な桜が綺麗だから 手のひらいっぱいに 集めて 君にもって行った 汚いといわれた、 その瞬間 花びらが硝子の破片で出来ているのに気づいた。

37 sing a song

ゆらんゆららん 欲そう まどろみくれない 夜の罪 雷音ごろんごろごろろん ねぞうを直して ごろごろろん きらりきららん秋の露 むずかしい言葉 ちょうだい ちょうだい もぞもぞもぞと 伸ばして 入る あなたの手 手好き おすわりなさい おすわりなさい 道端に …

36

割れた蒼いガラスの破片は、時間も感性も磨り減ってもう元の形に復元できない。 昨日もいらない恋人が増えた。 地下の巨大な空洞は開いたまま、誰も訪れない。 形も色も合わないパズルが今日も歪んで強引に組み合わされ互いに絶叫し、歪な塔を作る。 そして…

35

安住の地を追われた、若き侍、うた通いなれた街角 雲隠れする、命乞いが、いとおしい もしも太陽が放課後の夜、再び揚がるとしたら よりよき選別が、この国になされます。 どうか過去の話の続きは、誰にも喋らないで下さい 4ヶ月前から、小指が動かなくなっ…

34

月を見て綺麗だと思う。 多分この町から見る月が一番綺麗なのだろう だから君との距離も この距離が一番綺麗なのだ。 僕はこの距離を暴力で守る、君が綺麗なために

33 rape an angel

赤いオレンジ色の真夏も終わり だるい熱気が薄黄色の点滴のパックの感じと似て 汗ばみシャツを汚しつづける。 80年代昭和の古いアパートの8階まで、いつものことながら必死に上がる。 まぁ 家賃が安いから仕方ない、 Re:Re:死ねって簡単な言葉だね?とメール…

32 rainbow after the rain

晴天、太陽 影の揺らめき 実体のない僕 観察、監視、映画を見ているよう、 一人の少女 もしくは二人の少女を 実体のない僕が観察する 視点は一人の少女 名前はイリエ 僕が愛した女性の一人、滑稽な僕の人生の一部 人形みたいにセックスする相手 綺麗で狡賢く…

31

雨上がりの灰色の雪空 真空管が並んだ街 君のうなじのような丘 絶望さえしない街 大好きなコーヒーを飲みに、なじみのカフェ『スロウメロウフロウ』に向かった。 だらしないコートを引きずり、泥に汚れ固まった雪をブーツで踏み潰し 黒い影の僕が「合一とい…

30

コヌハとは来ぬ花、咲かない花という意味です。 一歩二歩と ずれ始めた、ゆるい体液を彼女は嫌がり 絶日を勧告される翌月 切実なる願いを 我が故に用いる点と線とを 曲げ幽吊る銀色の髪 少しの接触と、大げさでわざとらしい離脱 繊細なるぬくもりと、アイス…

29

無駄にほころぶ笑顔を描いて 最上の月に浸らせ 産み泣く 効しなく 出来損ないの仮面は いつまでも売れ残り 湖畔にたたずむ人の美しい光が当たり一面を過剰に まぶしく心を酔わせ 何もかもが堕ちていく 捜査の責任は君がとりなさいね 夜間飛行 雨が走り出した…

28

水たまりをながめながら 水たまりの深い底から 水でぼやけゆがんだ自分を眺めていた 揺らぐまっすぐな光が漂い揺られていた 水たまりの中は心地よく 焦りも不安も感じずに済んだ 現実から切り取られた現実があり それをひとつの現実だと思い込んで 周りも自…

27

灰色の粉が降る街の跡を、ひきずり歩く 欲しい物がないから 奪うことはない なんとなく西に向かう 東でもいいけど 日の沈む場所に 向かうという理由を後からつけてみる こころがぽかり暇だから、恋人のこととかを想ってみる 足を勝手に歩かせて ここから離れ…

26 unison

大きな黒い翼と散り落ちる黒い羽が目の前を覆い、 不快な裂け目からはみ出た赤い恥肉が蒼空に閉口する気持ちをおしさげ 今日の夕日は人たちの弱い心から刺さる諦めで深く滲んでいるのだろうと そのようにまぶた越しに感じる。そのまま目をつぶったまま時間が…

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事故 6時間事故で、トンネルから出られなかった 春もまだ明けない3月 非常照明が付くトンネル内今から少し前 通り過ぎない冬 凍える中で、 細いかわいい雪病んだようなうす灰色の女の子が言います 「君の意思は君だけのもの、行き先を教えてください」 「誰…

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いつも通る 海岸どおり 寂れた 事故かなんかで曲がったさびたガードレールに 沿って歩く ぼんやりと昭和の香りが残る 茶色のビル レタリング?で看板にビルの名前が書かれていて さびた感じが気に入っている いつも学校帰りの時間、その4階の小さな窓から …

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逃げ水に追いつくと死んでしまう。もしくは幸せになると聞いたことがある。 ある普通に暑い影がとても濃い夏の朝、裸の彼女のベッドから出て 蝉が鳴き始める白い光を浴びに、外にふらり出た。朝の夏風、焦げ始める光とまだそよぐ涼しい風 揺らぐアスファルト…

22

また薬を多めに飲んで寝た。 起きた頃に家のチャイムがなった 昔の彼女がやってきた、リミ着ていてかわいかったから家に入れた、 コーヒーを入れさせて、僕はまた本を読みながら、 半分夢の世界を 手に入れだした、 黒い紙で包まれた箱を渡された、さとっく…

21

図書館の奥でソファーの上で本と夢と現実の間をうろうろ漂っているうち に暗くなっていた うすぐらい書庫をぬけて、かわいい司書の女の子の涙を横目に 外に出たら暗い雨が降っていた、 濡れるのもいいかと そのま雨の中に紛れた 薄暗い空に黒い木の影が覆い…

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風も届かない 耳も聞こえない 夜はまったくをもって 輝きを閉ざし 闇がキラキラとひからせ 鬱により夜満ち通り歩き光水輝く、 うちにかえり くさい水道水コップいっぱい注ぎ あふれ出る水 飲み込む シャツの衿元濡れ 脱ぐ そよぐカーテンに誘われ、 光を吸う…

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廊下側の私の隣の席の男の子、私は多分好きだった。折り曲げる指とか さっきのやすみ時間に、そのこは私に帰りのバス代を借りた 定期を忘れたからと言っていた、 そのときはお家に帰るつもりはあったんだなと思う 少し夕方の五時間目 今日は5時間目で終わり…