2007-03-15から1日間の記事一覧

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植木鉢が倒れた、水色の空気が透明で光が白くて それは、記憶と重なる ありもしない事が、おこることは無い 洗濯機を回して、寒いベランダの風を浴びて 音の悪いCDプレイヤーを再生する いつものCDをかける 僕はパソコンの前に座り いつもの情報を飲み込んで…

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こんな風に思うのは薬のせいか、僕のいない世間、舞台が騒ぎ続けているせいか 僕のはずのベッドに寝ている彼女が 甘すぎる虹色の飴玉を吐き出きだしていた 寝ながら飴をなめていたようだ 過剰な糖分が脳をあま噛みしているだろう 寝ているときに飴とか食べた…

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彼女と公園に来た まだ夏の暑さがしつこい 僕は自分だけ途中で自分だけレモンスカッシュを買った 僕は途中で買ったタンポポを彼女に渡したかった 僕は一人しか座れないベンチに座った 彼女は青紫の細い白の細かいドットのワンピースを脱ぎだした 僕はそれを…

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緑色のグラスの破片みたい、とがっていて透明に光った空 浮かぶ飛行機雲の弱弱しい軌跡を僕は蒼い少女と眺めていた。 隣でたたずむ彼女はその飛行機雲のラインを細い人差し指で、 何度も何度も愛でるように撫でるようになぞっていた。 僕から逃げないように …

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夏の影がとても黒くて 凍結した空いっぱいに広がる 墨で染めたようなセミの羽 雷鳴までもが凍結して 底にかまいたちの傷のようにすーっと亀裂が 入り皆さんのご希望のように 眼球がぼたぼた涙のように落ちてゆく 潜水して現在の狂った世界から 回避しようと…

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踏むごとに歩むごと沈むごとに翳った泥濘が溜まっていく 影になって、だんだん人型になっていく 人の形になったら、影から青白い静脈が走った手が伸びてくる その少し震えたは手は助けを求める手だ、 僕はそれをいつも待っている、町内にまだ人がいない影を…

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(線香花火をしている少女、僕が登場) 今年も浅墨黒く少年じみて発火していた夏は僕が期待していたより早く病んで、 秋と冬が見えない所まで薄うねり始め それは裏返り苦しむ百足の腹みたいな蠢きで 人との距離を取ろうと 人と出会うことを一つの懐妊と考え…