2008-02-01から1ヶ月間の記事一覧

高層エスカレータ

ガラス張りの建物 プリズムがドームに広がる 赤と青とキイロと緑の風車が大きく回っている その風はドームの中の人の頬の産毛をうらして 鼓膜に圧力を与える 巨大なエスカレーターが最上階まで螺旋に続いている。 エスカレーターを上がる 降りる人とすれ違う…

加速 劇場

僕は劇場にきていていて、 客席で眼を黄緑色の糸で縫い閉じてある子にきく、 眼が見えないとこの劇をどう見えますか? 僕にわかるようにではなく あなたが感じたまま、日本語を散らしておしえてください 作る人は見たままを作らない、どう見えるか、どう感じ…

喪失

現実から逃げ続けると、現実の舌 現実の眼 現実の耳がうしなわれる そうして失った人はこう言う「現実なんてはじめから無いだろ」 僕もそう言ってた。

ベイ

再壁が世界の果ての境界にあって、僕たちはそこから先にはいけない 僕たちみたいな、死と遊んだ事のある人は特にそうだ、 最果ての少し手前にはつぶれた広大なショッピングセンターがある 3棟の建物、がらんとした駐車場 剥げ落ちたペンキ、蝶のロゴ、放置さ…

分裂する

歌を歌っているモノクロの女の人と 歩いていくモノクロのぼやけた女の人が歩いていく 歌は、プールの水の中に飛びこんなだ時の音のようだった それは僕は好きだった 水着を着ていて、おっぱいやおしりが見えそうだった クラスに入ったら、知らない人ばっかり…

くつした

ある女の子はある日自分の靴下が左右で違うのに気づきます。 そして自分の欠けているものにのに気づきます(記憶 心 愛情 欲求 感情 父親etc) そうして世界に自分と逆の柄で左右がちがう靴下を履いている女の子がいるのではないか?という事に気づきます そ…

I was diving slowly toward the light.

光だ こんな細い道に光が落ちていた 夕焼けに隠れて 心の影 心の闇 フラットな弱った心 その細い狭い先に 光だ 光を 僕は つかむ もうひとつなんだ ぼくはすべてを 絵を言葉をすてて 哲学思想思考をすてて もう一つ先の光に 高層ビルの屋上から笑顔で光にむ…

左手、lefthand

言語外のことを考える癖がつく 言語内の世界で表現が出来なくなる 社会生活に支障をきたす 左手の指輪が傷ついてきた 電極とアクリルの左手首を倉庫から持ってきた ポストに誰かが raven-black hair experimentalのCDを投函していった 僕は左手でポストのCD…

天使

天使の大きさを縮小するように言われた 使っていいよってハサミをもらった 25歳のときに15歳の女の子とセックスした 僕が京都に住んでいて、その子は新潟に住んでいた 僕は特急で新潟にいって あって駅前のマクドナルドでしゃべって 宿泊予定のホテルに連れ…

力が低いときに書く文

製炭所の直線作業音が区画に響く 黒いあきらめたときの匂いが 僕を何度も責め続ける 昼ごろ車でご飯を妻と食べにいった 妻が「紅葉綺麗だね」といった 僕の世界は季節感がない 静止した 着色ワイヤーフレームの味気ない世界だった 妻の一言で僕はステレオタ…

手錠

深夜、外苑公園沿いを缶コーヒーをのみながら歩いていた 公園の海獣の柵の中ほどにうずくまっている女の子がいた 黒いふわふわの胸の大きく開いたセーターと 短いスカートで裸足だった 僕は近くまでいって腰を下ろした なにしてるんだい?って聞いたときに視…

透明少女と愛情

この6畳の部屋には愛情があふれている 窒素 酸素 アルゴン 二酸化炭素 ネオン ヘリウム クリプトン 水素 キセノン それらの隙間にもそれら自身にも大量の愛情がふくまれている この部屋には愛情があふれている みだれたベット よれた女の下着 縛るためのロ…

誘拐

他人がレイプされて侮辱されて目をつぶされて性器を切られても 自分のおかずが足りない とかの方が重要な問題です そんな自分を愛してあげてください ネジがひとつ取れた 折り紙のアゲハチョウがひとつ飛び立った めくれて行く バラバラ折り紙 呼吸する和紙 …

片足の幽霊少女と少年

片足の少女の幽霊 僕は足が生まれつきなかったんです。 秋紫の夕方、この夕方は明日までだぞ あさってまでだぞ 体育館と倉庫の間でレイプされた それをぼくはみていました 頭を抑えて、 何かが飛んでいく 細切れになった 何か 異臭がする、虫がたかりだした …