20

風も届かない 耳も聞こえない
夜はまったくをもって 輝きを閉ざし
闇がキラキラとひからせ
鬱により夜満ち通り歩き光水輝く、
うちにかえり くさい水道水コップいっぱい注ぎ あふれ出る水 飲み込む シャツの衿元濡れ 脱ぐ


そよぐカーテンに誘われ、
光を吸うコップをじっと手にもつ 流れない時間を
じっと手をみつめる 考えるのは肌 かみたい乳首 はれぼったい唇 顎
考えてた事と同じ 汗を拭くハンカチを持つ手首の腱をみながら
 学校時代
鉄の机のさびを指で数えさわりながら  
落書きだらけの机を頬で木のにおいを感じたとき

動けず! 無力で! 助けてはくれず

何も変わってない


瞬間ぬるっとした感触とともに 私が手にいれたものとぱっくり目があった  
口元にわらいと 一つの言葉を浮かべ 泡とともに
そんなえぐる言葉は僕には届かない そういわせた僕は それにそういわせて そういわせたのが僕だ
痛くない罰を自分に!

椅子の上でコップを見ながら観た物がこれだ、
手を前に突き出し コップを落とした

コップは期待に反して割れずに液体を床にねっとりたらし
コロコロとふざけた音を鳴らし
あまりまわらずに止まった。

高まり満る喉から上がる赤ぐるしい黒い固まりを おしこめ
ゆっくり立って コップの前にいき 手を伸ばし

やさしく机の上に丁寧に戻すことができた。

コトンと小気味良い音が、少しだけ心地よいぬるい風をぽっとよんでくれた