ベイ
再壁が世界の果ての境界にあって、僕たちはそこから先にはいけない
僕たちみたいな、死と遊んだ事のある人は特にそうだ、
最果ての少し手前にはつぶれた広大なショッピングセンターがある
3棟の建物、がらんとした駐車場
剥げ落ちたペンキ、蝶のロゴ、放置されたショッピングカート
泥だらけで風化したダンボールの山、空き缶、ごみ
雑誌 チラシ 広告 破壊されたレジ 買い物カゴ
無駄にあるビニール袋 ごみ ごみ ごみ
僕は衣料品を扱っていた棟の入り口のショッピングカートの中で
ジャンプを何回も読んでいた。
じゃまなおっきな鎌が一緒にはいっていた。
寒い
(ウグイス色の羽の飾りを付けた、中学生の男女二人がが世界の果てにやってきていた。)
中学生の男の子が話しかけてきた、
「あー こんにちは、向こう側に行きたいのですが、」
- 向こう側にはいけないよ
「僕たち二人は、子供が欲しいのです、結婚したいんです、」
「向こう側ならそれが可能だとききました。」
- 僕は結婚してるよ、あっちに行ったことないけど
「あなたの結婚なんて、不完全じゃないですか、僕は本当の結婚をしたいのです。」
- 不完全な完全とか 完全な不完全とか?
「あなたたち=僕たちは、こうも言葉遊びで、逃げて 誤魔化して 虚勢を張るんだ にせもので 弱い」
- 沈黙は?
「負けです。」
- 感じないで、離人することは?
「負けです。」
きみはあっちにいったら、鬱病になる。
さっきからオナニーしている彼女があっちにいったら、そこらじゅうの男とするね、かわいいし
「何であなたは町外れの、最果てのショッピングセンターにいるのですか?あっちへの未練ですか?
そこにいたらいつかあっち側にいけると淡いせこい期待をしているのですか?」
- 君みたいなのに連れてこられる女の子と、楽しいことができるからだよ
「僕は、映画をつくって、それをインターネットにあげて、その影響の波があっちにいくと思っています」
- やったらいい
僕はその子とショッピングカートの中でセックスして
男の子に鎌で性器を切られた。
僕は自殺をして、
彼女を巻き込んだ
男の子は自問して、自閉した
あっちの世界にもこっちの世界にもいる自信がなくなった
僕のようにショッピングセンターのカートの中でジャンプを読んだ
飽きた。
彼はショッピングセンターをあさり 幼児向けの落書き帳と筆ペンをみつけた。
彼はそれで映画が作れると思って絵を描いてみたら
幼稚園児の絵しかかけなかった。
アル中のように手が震えていた
かれはずっとずっと彼女の絵をかきつづけた。
コメント
asat2008年01月18日 11:45
空までめくれる県道
asat2008年01月18日 12:45
かれは大がまを空になげる
弧を描いて落ちてくる鎌が腹に刺さる
すぐには死なない、
死にずっと近くに居座る続けられる