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僕は都市を抜け出してやった!
この茂った森を抜けたら
また村落があった
そこでほのぼの暮らして、余生を過ごす事も考えたが
逃げた!
いろいろな村を
町を
逃げ出していった!


もうここは人が及ばないところだろうと思って
腰をおろしたら
そこは遺跡だった
何年の前の人間達がここまできて
さらに滅んでいた
亡者からにげるように
またにげた!


暗闇の草原を一歩一歩
踏み外さないように歩んだ
ここまで来たら
もう大丈夫かな?

足元には
焚き火の跡だ
また逃げ出した!僕が作った新しいステージは
僕が満面の笑みを浮かべ
やっと
やっと つかんだあたらしいステージは
もうすでに 建てられて、もうぼろぼろに崩れて
廃墟の陰に
僕と同じ 日に焼けた 散歩者がいた 休憩中のようで 水筒からお茶を飲んでいた
知らない哲学学者が何か難しい顔をして
探しているのが見えた
ここは単なる通り道だった


まだ僕はたどり着いてない人だった