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深く飛び込むには
帰るか帰らないか決めておかなくてはいけない
あの哲学者はひとすじの糸も持たずに飛び込み帰ってこなかった
いつか僕も帰らない飛込みをする日がくるんだろう
ダイヴ
糸はなにか?やわらかい君たちだよ
いつも踊りの中にいて 夢の中にいて
力なくゆるんだ唇を持った
僕はその美しい花畑を汚れた裸足でゆっくり踏み潰しながら歩くしかないらしい
花が枯れると次の花を、
罪を隠すためにポケットに花を
愛がその花のために、
すべての美しい花
裸で路地裏に丸まって針の雨を避ける僕の声を
疑惑に満ちた 真実の言葉を
「これでも僕は愛している。」
夢は続かない 花束はからだに纏わりつく