Ziggurat4


もうしばらくで浴槽のあれが産まれる。


僕は浴室でシャワーを浴びていた。
赤血球のこすれる匂いがする。


シャワーの管は、巨人の血管とつながっていることを想像した。
電線もインターネットも巨人につながる。
海流も季節風も巨人につながっている


惑星の軌道も無意識も巨人につながっている。


熱いシャワーが熱いと思った。
それに対して僕の冷たい指先は冷たいと思った。


この冷たい指先が、スカートのすそを持ち上げてあげて


この冷たい指先が、スカートの中に何の尊敬も無く進入して
この冷たい指先が、細いふとももの皮膚を何度かなぞり
この冷たい指先が、下着のラインを意地悪する
この冷たい指先が、湿り始めた性器を布越しに何回もいじって
この冷たい指先に、それだけで、可愛い、いやらしい、だるい、匂いがしみこむ。この冷たい指先に


セックスの半分の匂い


メガネを割りたい

セックスしない女の子とどう付き合ったらいいか分からない
セックスが嫌いな女の子とどう付き合ったらいいか分からない
セックスを出し惜しみする女の子とどう付き合ったらいいか分からない
セックス以外で女の子とどう付き合ったらいいか分からない


シャワーから 赤い 液体が流れていた。


そっか今日は生理か


浴槽が空になっていた。


僕は自分で出してない言葉を出す。


『ああたぶん本棚に隠れているな [この町には僕しか人間がいない]
ということを良く教えないと』