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ぼくは

あなたと会って、世界を壊されて
狂うを近くに感じて

普通の空が、つづいていく、海の向こうまで

心臓がすこし、いやこころが、気持ちよく痛んだ

彩色、ぶちまけられた灰色のペンキ

迷って、迷って 僕にたどり着いた

僕は、

息を吐こう、世界との同調を遮断しよう

ぶっとばせ はきだせ 自慰にふけろ

深呼吸のあと 

深淵へ


高校の屋上
おわりのおんがく

ぼくはまたあきらめた

六時間目の青オレンジが染み出した空に

僕は屋上で、彼女に指を入れて気持ちよくしてた
それは高校のころ

はじめもその次もこれから先も僕は死ぬ

僕は知っている、僕は価値を求めない


猫顔の女の子(名前はリョウジュ)と知り合った、
黒い太いズボンに、緑のきたないのの色の上着を着ていて
僕はうれしくなってきた

雨が降りそうで、湿度が上がっていて
ぽちゃんと音がして

猫顔が、背が小さくて僕は高い子も低い子も好きだ
猫がおの呼吸が聞こえていた
僕は車の中で、猫顔を抱きしめていた
窓ガラスに斜めに走る雨の線が
すこし夢膜のように光が先っていて

僕はとても楽しい


細くはない体を、抱きしめていた
猫顔を抱きしめていた
泣き顔を抱きしめていた
弱った彼女を抱きしめていた

抱き合っていると
体温が同じくらいになって
彼女の髪の毛のにおいがして
まだずっとずっと泣いていた

雨がずっと降っていて
彼女はずっと泣いていた
雨が病んで
彼女はまだ泣いていた

猫顔がくしゃくしゃになって
愛しいような気持ちが芽生える
こころが管になっていて
そこを血液が走っていて
僕はどっちの世界ででも泣いている彼女を
どっちの世界でもうまく抱ける事ができているか

僕は助手席で、空気が車外から消えていた
憂鬱な雨が、憂鬱な晴れが
耳鳴り
耳鳴り
耳鳴り


静かに、雨足がまた波のように倒れ始めた
巨体は飛沫を上げて
飛沫で
泡で

僕は書くことを考えはじめて自閉をした
抱く事をやめてしまった
世界の感じる事を感じる事をやめはじまてしまった

僕は車の中で、づぶやいた

気色 空気 解いていくこと 磨いでいくこと
僕は泳ぐ

猫顔と僕は手をつないで犀川沿いを歩いた
桜の季節歩いた事あるかい?
すごくきれいなんだよ
って言った後僕は、
桜に今年失望したことを思い出して
嘘をついたことを知った

ああごめん、嘘をついたよ
桜はそんなに綺麗じゃない


猫顔はあったばっかの僕に
影を抜いた事があるか?
実体を滅した夜
阿片の感想
手加減をして、したセックス

そんな話を聞いてきた
僕はあるいは僕は、大体のあらましを言った

影は僕に味方も敵もしない、影は眠らないから報われない
実体を滅した夜は、単に夢だ、だがダイバーの夢と普通の人らとは違う
阿片の体験はない
セックスは好き

僕を見て、猫顔が捨て猫みたいに、あごを擦り付けてきて
においづけってやつかぁ っておもった


猫顔の孤独について知りたいと感じた
とりあえず僕はおっぱいをさわった。やさしめで
広く開いた胸元から手を入れた

風がなくて、ため息も出ない
イズミノ工場の排煙が、すこし犀川まで流れてきていた
少しこげた匂いと、少しだけ硬くなったちくびの感じが
ぼくは、さわれない心をさわりたかった 特に孤独を

形が、なくなっていく僕がなくなっていく
僕は僕は僕を侮辱に引き落とす


ここから、おぼえてない

猫顔の子が、私を思って自慰してって言った。
んー
あー
君と今この川辺でセックスしたらいーんじゃないかなとおもって
でもまだ少し肌寒くて少し迷ったけど
首の後ろつかんで引き寄せて
首筋を吸った

粉っぽいけどいいにおいがした
首の皮膚は少しだけ乾燥していたように舌が感じた
耳たぶを少しだけ口に含んだ
やわらかくて、何で女の子はいつも僕の心を魅了するんだろうと
僕は女の子が好きだ 君が好きだ 今君が好きだ
そんな心が湧いてきた

湧き出した

僕は少しくらくらしだして
唇を吸った、
彼女は少し嫌がった

まってね、リップ塗る

うん


間が空いた


空気が僕と彼女の間に入ってきた
僕はそれがいやで、彼女をだきしめて

塗れないよ

僕は我慢するのがいやだった
彼女の黒いズボンのチャックを下ろして

お腹の下のほうと、太ももらへんをさわった
川風がつめたいから、

車にももどろっか?

うん

けど車には戻らなかった
グレースケールの川岸に、はだけた服と
ピンクのレースの下着と
サンダルと

僕も、自分のベルトをはずして
おっきくなってるのをさわって

終わりの音楽がしだした
鳥が僕を、脅迫しだした
僕は終わる事を強いられる

ぼくはつづけた、下着をずらして
舌を這わせて

僕はお腹が痛くなった
気持ちが悪くなった

薬が切れてきた
世界が陰唇をひろげはじめた

僕はひとつの音を、細雪のように聞きだした
押し込まれるプレッシャーと黒い翼と
陰獣と、景色と

僕はもう目が見えなくなって
いやらしいにおいがどこからするのかもわからなくなって

手探りで、やわらかいおしりをさわった
おしりのしたのほうまで、濡れていて

僕は指を入れた
馬が青い世界に、馬車かな、ルドンのあの美術の教科書とかにも掲載されている
あれだ、

火の柱が、僕は対面して
セックスの最中に

あ、自分から口に含んでくれた、舌がきもちいい
行為がうれしくて、僕は脳からやられて

首を絞めて、殺した。

僕は死体を、綺麗だなって思って
抱きしめた

まだあたたかくて、死んでないのかなと思った

猫顔の目の奥が開いていた

灰色の目の奥だった

猫顔の女の子に触れても
僕の文はオーバードライブしなかった
僕はもう終わっていた。

そろそろここから消えたくなった
好きな人には連絡先を教えます。

猫顔の娘と
僕はそんな事を考えていた。