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僕は猛獣の卵をずっと温めている
世界にその記録を公開している

猛獣は爪で世界を切り裂く事を望むように育てるつもりだ


ベッドで、ヘッドフォンして本を読んで
そのまま眠って 朝起きて CDを返しにいって
マクドナルドで安い味がするホットケーキを甘いシロップにひたして
お腹がいっぱいになった

ポケットの残りの100円でレジに行って
コーヒーを頼んだ

マクドナルドにしては、いい女性ボーカルのだらしない歌が流れていて
僕は靴を脱いで 向かい側のいすの足を乗っけて

熱い苦いこれまた安い味のコーヒーをすすった
それら僕は独りの朝の時間で
楽しかった


季節の匂いは、もう来年はかぐ事はないんだろうとか考える
僕はなかの僕はもうすぐなくなる

鍵をかけて、彼女に渡してある。
あけたら死んでいるかも

ああ 死んでいるだろうな
おやすみなさい
おやすみなさい


自然と僕は分解されていく
悲しさを浴びる

おやすみなさいって、言われた
けど眠れないんだ
フルニトラゼパムが効かない
健忘するだけ

とりのこされること
追いかける ごめんなさい
悲しみが溶けた楽しさをわざとあげていた

僕を欲しいと思わせるために
気づかない分量を調整して


新緑と少しまだ肌寒い空気と
まんまるいおつきさまと

シジョウのおっきいおっぱいに顔をうずまる
にやけちゃうよ

時計の病的な秒針の軋みと
傷がついたCDの音とびの音と
安定剤が切れた感じ

さめたコーヒーをすすったら
僕は、何にかわからないけど、
とりのこされてしまった

裸で抱き合いたい
静かにぼーっと長い間それが浮かんだ

音符が読めれば

雲から光が少しだけ漏れてきて
誰の願いなのだろう

僕に灰色の空を
灰空を

灰空を僕は過信する
水の音が聞こえて


ちょっと早めの夜をぶっ飛ばしてくる