23


僕は僕は僕は好きになる好きになる
僕は好きになる

明日も僕は自分と好きと言う事の区別がつかない

健忘と自失と怠惰と恋

僕は歳をとっていく

記憶が抜けていく

責任が重くなる

女の子が不必要になる

僕は力が増していって 

殺す事ができるようになる

自分の意思を探求をその果てを

軽いポップミュージックのように

大げさに違う わざとらしく煽ることが

僕が世界に不必要になる

僕は色彩を失っていく

僕は灰色の空にとろけだしていく

僕はキスをする

キスをしたのが、砂の女の子で
口の中がじゃりじゃりした

こんなふざけたオレンジの画面で

僕の世界はテキストになって

httpプロトコル

君らを 襲う/犯す/奪う/

違う僕は利用される

僕は利用され続ける

消費される

対価 

嫌がってうつむいても僕は唇に向かう

細い女の子が好きで

心が弱らないと 僕の価値はなくて



今日もベランダのプランターの少し上に
光を屈折させる揺らぎが現れていて

5月のにおいがしだして

洗濯機のまわる音と、自動車の音と
近所の小学生がリコーダーを練習する音と
女の子が自慰する音

僕は剥奪される
僕は欠損する
僕は要らなくなる

要らなくなる相手さえいなくなる

僕の重みは消えて
僕はフラットになる

フラットに世界に存在の膜をひろげていたら

非存在になっていく

僕は僕なんかじゃなくなって

存在でもなくて

汚い非非存在になる
汚臭と自慰と妄想の中で

負けた顔色で
自信がない声色で
内向過ぎる眼球の奥で

よどんで鈍く光る瞳をもって

猫背で力がなく、ねずみ色した毛布を引きずる


朝起きて病院にいった
精神科と内科と皮膚科で医療費がけっこうかかる
お金がかかるのはいいんだけど
僕なんかを正常に稼動させるためにかかっていることは無駄のきがする

シジョウがショルダーバッグが欲しいとかいってたから
街中をぷらぷら探した
女の子のかばんなんてわかんないよ

お腹がすいて、炭水化物がほしいから
僕は
たんすいかぶつ たんすいかぶつ といいながら
博多のらーめんとごはんをたべた。
らーめんやさんの人は何でこんなに元気なんだ
りたりんとか支給されてんのかなぁ

おなかがごちそうさまで、いっぱいいで
気持ち悪くなったから
コーヒーが飲みたくなった
本日のコーヒーが濃い目のやつだとうれしい
ハーブの香りがするコーヒーなんて要らないよ

「おひるのおひさまはみんしゅうをけんこうにする」
って小学生の女の子が演説していた

食器やさんを外から眺めて
美術詩専門の本屋さんで、女の子を補給しようと思ったけど
僕は精液の工場だってルエが言っていた事を思い出して
ひかえた


青い空 赤い空 黄色い空 リズムに乗った空
羽が生えた空