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僕は夢でみた、死体を隠す袋と同じかばんを買った

欲しかったデジタル一眼レフのカメラを買った

写真を編んでいこうと思います。


上から4階の自販機にキリンメロンクリームソーダが売っていた
甘くてケミカルでこどもっぽい味なのだなと思って
120円いれた、ランプが赤くなって 買ってくださいの表示で
ボタンを押したポコ ガゴンッ

出てきた冷たい缶はキミドリ色で
デザインもどこかぬけていて悪くない

特に赤いぎざぎざの円の中に『クリームソーダ』って書いてあってよかった

自分の仕事場に戻る前に缶を爪がない指であけた
小さい発泡する音が耳ここちよかった

これが僕がさっきあったこと

世界をポジティブに捉えているから
割と辛くないね

さぁ


土曜はシジョウとデートした
シジョウはよくハーフですか?って聞かれるらしい
僕はその日も気に入られたくて、からまわりしてかっこ悪かった
僕は彼女と手をつないで散歩して
パンを買って
ツタヤにいって
彼女の好きなCDを借りて
ツタヤの前にとまっていたサンドイッチのおみせでまたパンを買って
二人でも全部食べられなくて
楽しかった


僕の口腔らへんを支配している精神は
空気圧って言う言葉を発したがって
僕のあんまない表情筋を、持ち上げたり降ろしたりしていた


灰空通信を先月からとり始めて
クレジットカードから毎月760円ひきおとされて
僕の部屋に毎月送られてくる

それらは世界に現実が複数ないといけない人たちが書いていて
僕も紹介されて、書評と
初歩のダイビング(海に潜るほうじゃないほう)
について書いた


今月掲載されるそうだったけど 印刷所にうまく伝達がいかなかったみたいで
今月は掲載されなくてすみませんって電話が来た


肺空通信に代表されるダイバーってひとたちは
自分のサイトや日記に精神状態や苦痛についての記述
見捨てられ不安や、依存やあきらめの正当性を
詩の形式で書いてある
ここで詩といったけど 彼女、彼らは詩を書いているつもりじゃない
心象を記録媒体に転写して、それがされなくても共有感に浸る


依存子が軽(ケイ)輪廻する
そこでフィクサー【fixer】もやっている若年寄
自傷に飽きた中学生をさらって、おもちゃにする


灰空通信は流通の記述もされていて
しましまな手首の女のこと男の子をクラシファイドしていて
趣向があったら、空想の中で現実を歪める作業を淡々と開始終了する


優待されるダイバーはインタビューもされえていて
虚勢を張りあっていて
もうダイバーじゃなくなってしまう


僕たちダイバーは飢える
乾く
もう1種類の重々しい不安を知っている
世界が大波で自己を否定して、すべてを飲みつくしていくさまを
固定され 休むまもなく 
眼球に心身に刻み付けられる


おまえは、みんなから嫌われていて必要ない

そんな軽はずみでいいそうなフレーズで収まるくらい
わかりやすく言語化できるくらい
シンプルでけどもう一歩も歩けない
そんな状態で


歩くしかないことが共用されて


僕たちダイバーの特別性


僕たちは未だにダイビングをしているから
自分が特別だって思っている

灰空がもっと暗くなっていって
包みが大きくなって

ダイバーは群れない
ダイバーは 他人のダイビングを否定する
自分を肯定する為に

ああ白い世界がダイバーに侵食していく
世界が白くなっていって
射精しっぱなしで 

シジョウのくびをしめた


はいくうについて補足

ダイバーは概念化を嫌うから
ダイバーにあなたはダイバーですね
とかは決していわないでください


彼女(もしくは彼)を何かに当てはめないでください