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長い時間をこえているので
ある何人目か忘れたけど
何人目とはいえないか途中から
時間も一つの方向ではなく
僕もいくつもに別れていった 


赤毛の女性と高台にある寺院にいった
何故あの寺院に化け物の像があるか!
魔除けなんかじゃないよ
根本的な不安
形もなくいつも物影から君を監視し
小声でこうささやく
君は正しくない
背中にいていつも犯そうとしているよ
いつも見えない
見えない事がさらに巨大化させ
憤怒の像 ありえない形 結合
形にしなくてはいけない仮の姿を与えなくてはいけない
さて寺院はそうして形にした
もしくは魔除けとは不安を形にする事かもしれない
くだらない人から聞いた話をしました。


そしてもう一つ
この世界を真っ二つに切り裂く

紅を引いたその唇から
椿のような
うるおった唇
肉を食いちぎり
僕を吸い取った唇
そこから吐き出された
仮想の敵の対象を作った


言葉


全ての不安の原因
「きみの音はすきではない」
ここまで解っていたのに
だがその放たれた矢は僕の眼球を貫き 脳を貫き 頭蓋骨を突き破り アロエの鉢まで達した。