stagnate6

世界の限界、排除
主塔のロゴが入った携帯電話は灰塔の中継局になる


陰唇と脳全をかたどる/貧する/粘膜がこすれる匂い
ばかでかい半透明のコンタクトレンズのような、
クジラに似た、幽体が主塔にゆっくり近づいていった、


雲がずれて軋む音が、面黒く灰蒸した孤空を震わせて、浸入した。


僕はそれを、どうしようとも思わなかった
少女は窓の外を眺めた
少女が主塔を必要としなければ、『主塔および太陽より高い庭園』
の維持は困難かつ、必要のないものだ、
誰もが知っている


セシルの話をしよう
君は魔法を信じる?灰塔もなしで、
風を起こして、水を呼び、炎をよぶ
隕石だって落とす事ができる
魔法を使う女の人を魔女という
魔法は灰塔と違って、自然な美しさがある
セシルは魔女になりたかった女の子
14歳の頃に灰塔と魔法の差がない事に気づいた
セシルは一度だけ、魔法を使った
セシルは父親のセシル(父親も同名)に人生に一度だけ犯されるのが望みだった

灰塔で、時間をとめた
セシルと父親は、ラブホテルに行った
親子だという不可認証も灰塔で通過
まぁ セックスするんだけど
セシルが魔法を使ったのは父親がセシルにキスをするところだけだった

すべての行為が終わった後
すぐにセシルは出産した
そう 今主塔に迫る幽体 


幽体は主塔に自己消滅の権利を主張した
主塔は許諾した


虹色の雨がグレースケールのまま降り注いだ。