『スノウインレイン』


エヤウェは曇った窓ガラスに指でエッフェル塔を築いていた。
目が曇る
戻らない雫滴が沿道にキラリと帆影を映写する
影絵に水彩絵の具で変わらないよう庭に季節を7つこめる

仰ぐ世界、虹、置いてかれる
私は金と布と永遠の木の葉をお通しする、結び

英断、英断、理論武装、佛神、

無骨な正義が、擦れ喘ぐ声が滲む汁気のない生殖に関する液体
大切にしてた恋人、大切に骨を大切に髪を大切に幼児過程

『僕は麻酔をしない』
『僕は耳栓をしない』
『僕は現実という言葉にごまかされない』

肉をすする美肉
何回も『痛い?』ときく

エヤウェ『何にも言いたくない。私の寂しさを貴方の奥の子供にに接続して上げる』
イッヒ『聞こえない<さみしい>という言葉は強い兵器だ』
    『僕の国境を越えて村々を放火して金銭を略奪して若い娘の手首足首を切断しレイプし続ける』
    
エヤウェ『それの何が悪いの? 』

エヤウェ『雪が降ったら、大きく呼吸をしよう』
エヤウェ『肺に大きなつづくつづく雪に沈んだ田んぼ、畑をつくろう』
エヤウェ『空を垂直するエレベーターが腐食して、虹色の鉄くずになる約束をしよう』
エヤウェ『この紡がれる呪いの言葉は、私が一番苦手な表情[笑顔]を会う君のために彩ろう』
エヤウェ『雪虫の鳴く声を聞き 積雪の音を聞き 汚れた泥水になった雪でのどを潤そう』
エヤウェ『東の空が開ける前、重く重なった雪たちに私の薄い裸で、冷度を奪って差し上げよう』
エヤウェ『大きな思春期の霊なるカラスが残忍な寂しさに虹彩が千切れていく』
エヤウェ『うそつきは、イッヒ これ以上あなたのことなど思い出にしたくない、』

イッヒ『思い出という言葉を口走る女が嫌いだ、売女、あばずれ、精液の匂いが消えない』
イッヒ『そういう、かなしみで、悲しみの記憶と世界を 女に与えてるのは僕だ』

エヤウェ『皺という皺 襞という襞 膣という膣 膣液すべて 私の愛する証 私の世界から染みて』
エヤウェ『貴方の世界を 私の膣で どうにか なぐさめてあげたい 貴方を私は支配したい』
エヤウェ『支配!支配!支配!交尾糸』

エヤウェ『こわくないよ 貴方に私の体も心も未来もやさしくなげだします』

イッヒ『雪の女王、彼女を雪の世界に閉じ込めてください、手紙を書きます、最後まで』

エヤウェ『その手紙は、一ヶ月で絶え いてついた私の卵巣は生殖機能を放棄して、すべての感覚や思考も朝伽を無駄にして』
エヤウェ『貴方を呪う。』


春来て、夏病んで、秋が移ろいをユダンで、冬が芽吹き、

時が喘ぎ声をおさえる

いや

喘ぎ方がわからない処女の震える吐息

あの女は喘ぎ声がうるさかった


床に宿に、廊下に蝋土に、非祝に、如女に、際るるみ この墓は風を止める


終わりを終わらそう

二匹の生き残りで、雪


積雪成功終了